上賀茂神社
上賀茂神社に残る、1000年続く命のうねり
日本で生まれ育つと、節目節目で神社に出かけることがあるだろう。
年の初めの初詣、事業や学業の成就願い、ご縁を結ぶ神前式など、私たちは神社に足を運び、神様にことの運びが上手くいくよう願っている。
日本に暮らしてきた人々はこの国を「八百万の神々の国」、すなわち数え切れないほどの神々が過ごす国と信じてきた。祀られる神々は人にはできない特別な力を司る者とされ、対象は自然現象から、輝かしい功績を残した人物まで幅広い。
たとえば、太陽神「天照大神(あまてらすおおみかみ)」や火の神「火之迦具土神(ひのかぐつち)」などの自然現象、生前に大きな功績を残した学業の神「菅原道真」や、八幡様として知られ武運の神とされる「応神天皇」などが該当するだろう。
これらの神々のほかにも、水や稲穂、山や岩、木々、なかには季節の訪れを司る神様も存在している。さらに神様の中には人に良いことをもたらすものだけでなく悪さをするものまでいる。日本に住んでいたご先祖様の世界観の中では、神様がいなければ日々の暮らしは成り立たなかったのである。
神様によって御利益も様々で、五穀豊穣、商売繁昌、子授けや縁結び、学業成就に航海安全など、数え上げればきりがない。
ここ上賀茂神社(正式名称:賀茂別雷神社)ではどうだろう?御利益として並んでいるのは「厄除け」「開運」「必勝」など、おなじみのものだが、そこに混じって「雷除」「電気産業守護」など少し不思議なものも混ざっている。これはなぜかというと、御祭神である賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)に関係しているそうだ。
上賀茂神社は日本の中でもとても古い神社で、社殿の奥山の神代に降臨後、西暦678年には社が建てられていたそうだ。このガイドでは、2600年以上の歴史を持つ上賀茂神社から、日本の神々と人がどのように関わってきたのかをガイドしていきたい。
まず手始めに、この神社に祀られている賀茂別雷大神についてご紹介していこう。