東京タワー
記憶の階段をさかのぼる旅へ
「あ、東京タワーだ。」
そう、声をあげる人がいる。ある人は「東京に来たんだ」と決意を新たにし、またある人は「東京に帰ってきたなぁ」と息をつく。その瞬間に、ぼくたちはそれまでの人生を記録しているのかもしれない──
東京タワーは1958年に完成した高さ333mの総合電波塔。当時は自立鉄塔として世界一の高さを誇り、現在は日本で二番目に高い建物。メインデッキ(旧:大展望台)の高さは150m、トップデッキ(旧:特別展望台)は250mに達する。
そんな東京タワーに「階段」で昇れることを知っているだろうか。フットタウン屋上からメインデッキ=展望台まで約600段。15分もあれば昇れるはずだ。ここでひとつ、提案したいことがある。このガイドを聞きながら階段で昇ってみてほしいのだ。ただし、階段はいつも開放されているわけではない。外階段ゆえに天候にも左右される。その場合は隣接する「芝公園」で東京タワーを見上げながらガイドを聞いてみてほしい。もちろん、あなたが既に展望台にいる場合は「展望台」を歩きながら聞いてみるのもいいだろう。
ぼくたちがガイドするのは東京タワーが完成するまでの物語。その時代、東京タワーは「LIVE」だった。戦後の焼け野原から立ちなおりつつあった日本が、世界一の高さ333mを目指す。カンカンカンと鉄を打つ音が空に響き渡り、1mずつ、鉄塔が日増しに立ち昇っていく。当時を生きる人たちは、その様子を見上げながら、俺も、私も、と自分の心を重ねたのだ。
しかし、当時の様子は目に見えない。だからもう一度、東京タワーの階段を昇りながら、東京タワーができるまでの物語を追体験できないだろうか。あのときはまだ生まれていなかった人も、あのときの気持ちで。
【!】昇り階段の営業時間
土・日・祝日11:00~16:00
※雨天・強風時は中止となります。※メインデッキ=展望台までの展望料金が必要になります。※イベントによっては上記外でも開放している事があります。※階段の入り口は「フットタウン屋上」にあります。※一度展望台を降りると再入場はできません。