南方熊楠記念館
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Introduction
熊楠の見つめる世界の境界線
植物学、民俗学、天文学……粘菌、それから密教――。南方熊楠が追い求めた研究分野はとんでもなく幅広いものです。広くて豊かな知識を持つことを「博覧強記」といいますが、熊楠の場合はいっそのこと、「狂う」ほうの「狂気」という漢字を当てて「博覧狂気」と呼びたいほどです。その思考は混沌に満ちているように見えます。貪欲な彼の好奇心には底が見えません。
人間と自然の境。動物と植物の境。男と女の境。西洋と東洋の境。世界の秘密を解き明かそうと、らんらんと輝く熊楠の眼差しは、どうやら境界線に向けられているようなのです。
未だにその全貌が明らかになっていない、彼が突き詰めてきた世界。このガイドでは、「南方学」とも呼ぶべき、その学問の入り口へとご案内しましょう。
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